アスベスト調査.NET::解説:本当は怖い成形板の解体

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本当は怖い成形板の解体-アスベストの調査と分析・検査ならアスベスト調査.NET

今年(2007年)3月に東京都が全国に先駆けて「アスベスト成形板対策マニュアル」を発行しました。
東京都のダウンロードページ

いままで解体におけるアスベスト対策【レベル3】に位置づけられている「成形板」について、ここまで分かりやすく書かれたものは他にありませんでした。

しかしこれはどうしても必要なことだったのです。

なぜなら現在、世界一厳しいと言われる我が国のアスベスト規制が、実際にはあまり守られていない現状があり、とくに多種多様な製品が存在する成形板に関しては相当数の現場が無対策で解体されている恐れがあるからです。

この原因のひとつは法的な不備にあるかもしれません。

レベル3の成形板の解体方法は石綿則で厳密に示されています。
それは、砕いたり割ったりしない限りはアスベストが飛散する恐れが少ない成形板を、どのようにして解体したらよいか、という内容です。
しかし…
にもかかわらず、レベル3の解体時には法的になんら届け出の必要がありません。
レベル1やレベル2などの飛散性の高い建材さえ使用されていなければ、
仮にアスベストが含有された成形板が大量に使われていても、実際知らんぷりできてしまうのです。

先日、本サイトでも
「無くならない違法解体に千代田区が全棟アスベスト調査」という記事を書かせてもらいましたが、レベル1の飛散性の高いアスベストが使われている建物でさえ無届けの違法解体が横行しているぐらいです。

ましてレベル3ともなれば「そんな規制があったの?」ぐらいの扱いではないでしょうか。

そしてもうひとつの原因、これが重要なのですが、たとえレベル3の成形板に対する規制をある程度知っている業者であっても、「レベル3の成形板の解体ならそんなに気にしなくても大丈夫」、ぐらいにしか認識されていない、という事実です。

はたして成形板の解体はそれほど簡単に考えていいものなのでしょうか?

東京労働安全衛生センターの外山氏によれば

実際に成形板を解体している現場内での石綿濃度を測定すると、空気1リットル当たり4350本のアスベスト繊維が存在し、平均でも2270本/リットルあったとされています。

これはすごい濃度です。

日本産業衛生学会によるアスベスト繊維の空気中の許容濃度の勧告値は、クリソタイル(白石綿)で150本/リットル、毒性の高いアモサイトやクロシドライトでは30本/リットルとされています。
(週40時間50年間働いたとして)

この環境で働く作業員がどれだけ働き続けると発病するかを単純に計算することができます。

クリソタイルとそれ以外の石綿が仮に半分づつだったとして許容濃度は平均して90本/リットル。
さきほどの2270本/リットルは、この濃度の約25倍です。

この作業員が週40時間このような環境で働いたとしたら、50年÷25=2年。

つまりたった2年間で発病するに十分なアスベストを摂取してしまうことになるのです!

御存知のように体内に入ったアスベストは決して排出されることはなく、蓄積され続けます。
ですからこのような単純な試算も成り立つのですが、いかに無防備で行われた成形板の解体が恐ろしいかを知るには、十分な試算結果ではないでしょうか。

念のためもうひとつ怖いデータを書き加えておきます。

人々が恐怖するアスベスト含有吹き付け材、規制対象のクリソタイルを1%含有するロックウール吹き付け材を除去する時のリスクと、アモサイト10%含有するけい酸カルシウム板の解体時のリスクは、ほぼ同等であるというデータがあります。

そしてけい酸カルシウム板はビルの下地材などによく使われています。

けい酸カルシウム板の中にはアモサイトが20%含まれている製品もあり、そのリスクは言わずもがなでしょう。


この東京都が作った「アスベスト成形板対策マニュアル」によって全ての問題が解決するわけではありませんが、解決の糸口にはなるでしょう。


ではこの問題の根底にある原因は何でしょうか?

私が思うにそれはお金です。

アスベストを含有する建材を除去するのは、たとえ成形板であっても費用がかさみます。
費用を掛ければそれだけいいものができる建築と正反対で、そこに建物が無くなればOKなのが解体工事。

つまり、だれも余計にお金を掛けたくない、というのが建物所有者の本音なのです。

解体時に所有者の健康を害する恐れがあるなら話しは別なのでしょうが、この可能性は全くありません。

被害に合うのは安い賃金で働く解体作業員と、周辺住民です。

それも知らず知らずのうちに…。

本当の意味でこの問題を解決したいなら、もっと厳格な法の執行と、アスベスト含有建材を除去する際の助成金を、今より広範囲に適用するという、あめとムチの体制を構築するしかないかもしれません…。

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