ブログ

アスベストの【レベル3】【レベル2】【レベル1】とは?

Q:よくアスベストの【レベル3】だのといいますが、その【レベル】とはどういう意味ですか?

A:アスベストを含んだ建材を解体したり改修作業をする時に、アスベスト(石綿)粉じんの飛散のしやすさ(発じん性)で、作業を3つのレベルに分類したものです。建設業労働災害防止協会のマニュアルによって分類されました。

アスベストを含んだ建材はものすごく色々な種類があります。
なかでも皆さんよくご存知の吹付け材のような一見ねずみ色の綿のようなタイプのものは、解体する時にブワッと繊維が飛び散って危険です。
それらが【レベル1】で、最も配慮した取り扱いが義務付けられています。

レベル1…発じん性が著しく高い(みかけ密度がおおむね0.5g/cm3以下)

石綿(アスベスト)含有吹付け材など
石綿含有吹付け材など

このようにもろアスベストを吹き付けてある「アスベスト吹付材」や、ロックウールのなかにアスベストを混入した「石綿含有ロックウール吹付材」があります。ただしロックウール吹付材にアスベストを混ぜないで使用されているものもあるので早合点しないでください。ロックウール吹付材は現在でも多く使われている建材です。

石綿含有吹付け材など

つづいて【レベル2】というのは、配管などを保温する目的で巻いてある保温材や断熱材などが該当するのですが、これらはレベル1の吹付け材ほどは解体するとき飛び散りません。
しかしもともと断熱目的で製造されているので非常に軽く密度が低いため、いったんくずれるとかなり飛散します。
それにアスベストの含有率も高いので、やはり相当危険なのです。
ただレベル1と違って壁や天井にこびり付いているわけではないので、例えば配管保温材などは配管ごと取り外して処分するなどの方法もあって、レベル1とは違う扱いとなっています。

レベル2…発じん性が高い(みかけ密度がおおむね0.5g/cm3以下)
石綿(アスベスト)含有保温材・断熱材など
配管保温材

煙突用断熱材

【レベル3】となるとレベル1や2とはだいぶ状況が違ってきます。
成形板類という表現が使われ、板状のものが圧倒的に多いのでそう呼ばれていますが、板状のもの以外にも硬く成形されていたらレベル3ということになります。
上記レベル1やレベル2との建材としての違いは、固さ(密度)がまったく違うことです。

レベル3の建材はふわふわしていません、カチカチです、固いのです。
だから普通に使っているぶんには中に混入しているアスベストが飛び散ったりすることはありません。
除去する時にも法的な制限はかなり軽くなっていますが、それでもアスベストを含んでいることに変わりはないので注意が必要です。

レベル3…発じん性:比較的低い
石綿含有成形板など
Pタイル

事務所などの床材として非常よく使用されているのがこのPタイルです。

床材だけでなく天井材や壁材にも多くアスベスト含有の建材が存在します。

ロックウール吸音板

また、これら板状のものだけではありません。

石綿含有シール・パッキン類
ダクトパッキン・キャンバス

ダクトパッキン・シール

これら排気・換気ダクトなどは少し大きい建物にはたいてい備わっていますが、そのつなぎ目の部分、フランジやジョイントにアスベスト含有のパッキンやシールが使われています。

案外見落としがちですがどこにでもあるのがこのダクトパッキンや配管シール材なのです。

以前は【レベル外】あるいは【適用外】と呼ばれたのですが現在では【レベル3】扱いとなっています。

アスベストの含有率が高いのが特徴で、むやみに触れると危険です。

それぞれのレベルに応じて作業方法や法的な扱いが異なります。
詳しく書くときりがありませんのでそれはまた今度。

それぞれの建材についてもっと詳しく知りたい方は
こちらをご覧下さい⇒アスベスト建材 データベース