1-4:【吹き付けバーミキュライト(ひる石吹き付け)~バーミライト、ミクノライト、ゾノライト、モノコート等~】
同じアスベストが入った「吹き付け材」でもこの吹き付けバーミキュライト(別名、ひる石吹き付け)は、アスベストやロックウールの吹き付けとは見た目がぜんぜん違います。
それも当然で、なんといっても内装の「仕上材」に使われるほどですから。
ぱっと見は普通の内装吹き付け仕上という感じで、普通の人なら絶対アスベストが入った仕上材などと気付かないハズです。
どんなところに使われているかというと、学校や保育園、それに公団の団地などの階段やホールの天井・壁に吹き付けられている例が多く、ようは公共の人が集まるような場所の見える場所に使われていて、鉄骨の耐火被覆のように隠れた所にはあまり使われません。(折半屋根の裏などにも使われました。)
ちなみに、ひる石とも呼ばれるバーミキュライトは園芸をやっている方ならよく御存知の物質で、焼成すると膨らんで「ひる」のような形になることからこの名前が付いています。
現在市販されているバーミキュライトはアスベストが含まれない南アフリカ産のもので安全なのですが、往時世界最大(シェア8割以上)のバーミキュライト産出鉱山であった米国モンタナ州のリビー鉱山から生産されたバーミキュライトは「不純物として」アスベストを含んでいました。
このリビー鉱山は多数の被害者を出し1990年に閉山しましたが、産出したバーミキュライトは耐火吹き付け材の「ゾノライト(Zonolite)」として世界的に有名な建材で、日本でも流通していました。
使われたアスベストの種類や含有量は不明な点が多く、5~40%ぐらいではないかといわれていますが、おおむね平成元年(1989年)には無石綿化されました。
<商 品 名>
●バーミライト(アロックヒル石)
●ミクライト
●ウォールコートM折版用
●ゾノライト吸音プラスター
●モノコート
●バーミックスAP
注:この一覧に示した商品が石綿含有材料のすべてではありません。
◆「無石綿化年」は、当該商品のうち、石綿を含有する商品の生産がその年の1月1日にはすでに終了している年です。この欄に「×」を記載しているものは、当該商品の製造の全期間に渡って石綿が含有していたことを示します。
◆製造終了年の欄に「→」を記載しているものは、無石綿化した現在も、同名の商品名で製造・販売が継続しているものです。
◆無石綿化年とは、メーカーが意図的に石綿を混入しなくなった年をいいます。