1-2:【吹き付けロックウール(乾式・半乾式)】
見た目が吹き付けアスベストと似ているためによく間違われるのがこのロックウール吹き付け材。
自分のいるビルの天井裏などにこれを発見して「これは一大事!」と焦って電話をする人が一時絶えませんでした。
ロックウールは「岩綿」とも書かれるように「石綿」=アスベストとは似て異なる物質で、鉱物中の中にままの状態で存在する天然繊維のアスベストに対して、ロックウールは岩石や、スラグ(鉱さい)を原料に工場で人工的に造られる繊維なのです。
ロックウールは(アスベストに比べて)繊維の形状や太さも全く違いますし、発ガン性などの毒性はないので、現在でも多く使われています。
しかしながら、このロックウールにアスベストを混ぜて使われていた時期が長い期間あり、それが規制の対象となっています。
アスベストの含有量は、吹き付けアスベストが禁止された昭和50年(1975年)の前と後では全く違うので注意が必要です。
1975年以前は10~20%混入されていた商品も多いのですが、それ以降は3~4%と少ない含有量で、おおむね昭和55年(1980年)には含有料ゼロ、つまり無石綿化されました。
(湿式ロックウール吹き付けは平成2年(1990年)に最終無石綿化)
使われたアスベストの種類はほとんどがクリソタイル(白石綿)ですが、規制以前は毒性の高いアモサイト(茶石綿)が使われた商品もいくつかみられます。
用途は吹き付けアスベストと全く同じように、鉄骨造の耐火被覆や、工場や公共建物の耐火・断熱の目的だけでなく吸音の目的で使用されます。
<商 品 名>
●スプレーテックス(耐火被覆用)
●スプレーテックス(吸音断熱用)
●スプレエース
●スプレークラフト
●サーモテックス
●ニッカウール
●プロベストR
●ヘーワレックス
●浅野ダイアロック
●コーベックスR
●スプレーコート
●スターレックス-R
●オパベストR
●バルカロック
●ベリーコートR
●タイカレックス
注:この一覧に示した商品が石綿含有材料のすべてではありません。
◆「無石綿化年」は、当該商品のうち、石綿を含有する商品の生産がその年の1月1日にはすでに終了している年です。この欄に「×」を記載しているものは、当該商品の製造の全期間に渡って石綿が含有していたことを示します。
◆製造終了年の欄に「→」を記載しているものは、無石綿化した現在も、同名の商品名で製造・販売が継続しているものです。
◆無石綿化年とは、メーカーが意図的に石綿を混入しなくなった年をいいます。