調査事例

工場の配管保温材のアスベスト調査

工場の配管保温材のアスベスト調査 場所は某大企業のおっきな工場内の冷凍機室。ぶっとい配管がところ狭しとひしめき合っています。
今回の調査は、この配管の「エルボー」といって「曲がり」の部分に巻かれている保温材のアスベスト含有調査。
  • 配管の曲がりの部分は直管の部分と違って、高温になったりグラスウールの保温材が隙間なく巻くことができないという理由で直管とは違う保温材が施工されています。そしてその保温材にアスベストが使用されていました。
    いわゆる「石綿含有保温材」というカテゴリーのアスベスト含有建材が使用されています。
  • 石綿含有保温材の種類には、「石綿保温材」、「けいそう土保温材」、「パーライト保温材」、「石綿けい酸カルシウム保温材」、「水練り保温材」の5種類がありますが、主に1980年ぐらいまで(水練り保温材は1988年ぐらいまで)製造されました。

    配管の保温材は、綿のような吹き付け材と違って、管に合わせてぴったり成形されていますし、見た目は(本能的にも)それほど危険性が高いようには思えません。それでサンプリングの時などもうっかり雑に扱いがちなんですが…
    実はこの保温材、ある意味吹き付け材よりも危険なんです。これは案外知られていない事実です。
  • 工場の配管保温材のアスベスト調査
    これからなぜ危険なのか説明します。

    配管保温材に使れたアスベストは主にアモサイト(茶石綿)です。

    アモサイトはアスベストの中でも最も脱水温度が高いという特長があります。
    これは熱に対する安定性に優れ、熱収縮が少ないということを意味しますが、この特性が保温材にはまさにうってつけの特性で「アモサイトといえば保温材」というぐらいなわけです。
  • ところがアモサイトは、クリソタイル(白石綿=一番よく使われた石綿)と違い、クロシドライト(青石綿)と同様に非常に毒性が強い角閃石系アスベスト。
    しかもこのアモサイト、アスベストの中で「一番飛散性が大」なんです。
    つまり、配管保温材には最も飛び散り易い、危険なアスベストが使われているということなのです。
  • 例えば、少し建築を知っている人ならけい酸カルシウム板を御存知かと思いますが、通常のけいカル板などとは違い、この配管保温材のけいカルはとても比重が軽く、しかもくずれ易いのです。
    それで法的にも解体時の危険度レベルは2に指定されていて、内容はレベル1とほとんど変わりません。

    保温材を配管からどうやって除去するかは「アスベスト調査」とは主旨が違うのでまた別の機会にゆずるとして、調査時の検体採取をする際も極めて慎重に行われなければいけないという事をご理解いただけたでしょうか。

    生半可なやり方で工場職員さんがサンプリングなどしたらそれこそ危ないのでやめましょう。
    エルボーに巻かれた表面の養生を剥し、カッターなどでバサバサ切り取る…こんなことをやりがちです。
    ぼくらがサンプリングする時は、先が特殊なカッターになっていて最小限の大きさを抜き取ることができる工具を使うので素早く安全に採取できるのです。
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