調査事例
ずさんなアスベスト除去工事途中現場の視察

アスベスト除去工事の真っ最中に役所から工事停止措置をくらったとい建物を現調しに行ったのです。
あらかじめ、ある程度内容を聞いてはいたものの、実際に現場を目の当たりにした私は、にわかにこれが現実とは思えませんでした。
工事途中で作業が放り出され、人っ子ひとり居ないその建物はまさに廃墟。
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使用されている吹き付け材が、ひと目でそれとわかる毒性の極めて高い「青石綿」なのにまずびっくり!
しかし本当に驚いたのは、開いた口が塞がらないほどずさんな工事内容。
アスベスト飛散対策の要といえる養生シートは申しわけ程度に張られていましたが、とても作業空間を密閉しているなんてものではなく、あちこち破れて窓から風がピューピュー出たり入ったり・・・。
当然あるべきクリーンルームや、常に稼動させていなければならない空気清浄換気装置なども、まったく存在しません。
アスベスト除去工事の基本中の基本が全くなされていない・・・ -
もう無残と言うほかありません。この作業をした人達の20年後の安否を憂うばかりです。
いやもっと言えばこの現場の近隣住人は・・・(季節が真冬でどの建物も窓は閉まっていたのは不幸中の幸いでしたが。)
もうこれ以上、事の顛末はお話しできません・・・。
現在アスベスト対策として世界一厳しい基準が設けられた我が国の行政下で、よもやこれほどずさんな工事が存在しているとは・・・。
しかしよくよく考えれば、アスベストに関して行政がこれほど厳しくなってから実際まだ10年も経っていないわけで・・・
クボタ事件が起きる数年前までは日本中のあちこちで、こんな事がごく普通に行われてきたことを考えると・・・背筋が寒くなる思いです。
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